遺産分割に応じない相続人がいて手続きが進まない
相続の発生とともに相続人が何よりも先に行うことは、被相続人が作成した遺言書があるかどうかの確認です。
遺言書があればその内容に沿って遺産分割を行えば良いですが、遺言書がない場合には相続人全員による遺産分割協議にて遺産分割の方法を話し合う必要があります。
話し合った結果、相続人全員の合意が得られた際には遺産分割協議書を作成し、その内容通りに遺産分割を行い、不動産の名義変更等の手続きを進めていきます。
しかしながら遺産分割協議は揉める可能性が非常に高いといわれており、円滑に終えることができるとは限りません。遺産分割の内容に納得がいかず、遺産分割に応じてくれない相続人がひとりでもいる場合には、相続手続き自体が滞ってしまう事態もありうるといえるでしょう。
遺産分割に応じない相続人の理由
相続人が遺産分割に応じてくれない主な理由としては、以下のようなものが挙げられます。
- 他の相続人に被相続人の財産の使い込みを知られたくない
- 被相続人の財産を生前から管理しており、全容を明らかにしたくない
- 被相続人名義の自宅に居住中で、追い出されたくない 等
このような理由から遺産分割に応じてくれない相続人は、遺産分割協議に参加すると自身が不利な立場となることを理解していると思われます。それゆえ、他の相続人が遺産分割に応じるよう呼びかけたとしても、実現しない可能性があるかもしれません。
仮に相続人のひとりが被相続人の財産を使い込んでいた場合、預貯金等であれば金融機関の口座を凍結させることも可能です。ただし、使い込まれた全額を取り戻すことは難しいといえるため、そのような場合には相続の専門家へ早急に相談することをおすすめいたします。